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不動産登記が必要な理由

不動産取引上では、不動産取引の安全の保護と円滑化を図るために、取引対象となる不動産の現況や権利関係等を登記簿上に記録して公示する、不動産登記制度が採用されています。もし、不動産登記制度がなければ、誰がその不動産の所有者が分からないまま、不動産取引をすることになりかねず、不動産取引の安全を著しく害します。そして、不動産取引上で自分の権利を守り、第三者との紛争を防ぐためには、不動産登記のもつ効力が重要となります。

 

■不動産登記の効力
不動産登記には、「対抗力」、「権利推定力」、「形式確定力」の3つの効力があります。

 

●対抗力
不動産登記をすれば、第三者に対し、その不動産の所有権や抵当権などの様々な権利を主張することができます(民法177条)。例えば、不動産の二重売買が行われた場合、先に不動産登記を備えた方が、もう一方に対し、その不動産の所有権を主張(対抗)することが可能になります。

 

●権利推定力
権利推定力とは、対象となる不動産に登記が設定されている場合、その登記通りの実体的権利関係が存在するものと推定される効力のことです。あくまでも推定であるため、その登記が真実ではないと主張する者が反証することにより、覆される可能性はありますが、登記を信頼し、取引に入った第三者には、過失がないものと推定されます。

 

●形式確定力
形式的確定力とは、一度登記がされてしまうと、その登記の真偽に関わらず、利害関係者や国家機関が、そのなされた登記を無視して登記手続きをすることができない効力のことをいいます。無効な登記がなされている場合であっても、その無効な登記の抹消等をしなければ、真の権利者は自らの権利の登記をすることができません。

 

これらの不動産登記の効力により、自身の権利を守り、不動産トラブルを回避することが可能になります。また、建物の種類や構造などの、不動産の現況を表示する表題部の登記については、不動産登記法上、取得したら1ヶ月以内に登記をすることが義務付けられています。未登記のままでいる場合は、10万円以下の過料に処せられることがあります(不動産登記法第164条)。

 

以上の理由から、不動産登記は、不動産に関係する権利関係において非常に重要であり、必要なものとなります。

 

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  • 所属団体

    東京司法書士会(登録番号3502)

    公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート

  • 経歴

    平成10年  早稲田大学 法学部卒業

    平成12年  司法書士試験合格、三鷹市の司法書士事務所に勤務

    平成14年  司法書士登録

    平成16年  簡裁代理関係業務認定

    平成22年  いつき司法書士事務所開業

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