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相続財産の調査方法や各種書類取得にかかる費用について

相続が開始されると、相続放棄の判断をするため、遺産分割をするため、相続税の申告をするために相続財産の調査が必要です。当記事で基本的な相続財産の例を挙げ、調査の方法を説明していきます。また、調査にあたり費用がかかることもありますので、その点についても言及します。

相続財産の範囲

亡くなった方が持っていた財産は広く相続の対象となります。例えば次のような種類があります。

 

相続財産の種類

具体例や調査すべきこと

現金

金銭や小切手。

被相続人の手許を調べる

預貯金

普通預金や当座預金、定期預金など。

預貯金の残高証明書、通帳などを調べる。

土地

居住用・事業用の自用地、貸付地、借地権、山林や田畑など。

宅地の場合は路線価図や倍率表を確認。固定資産税評価証明書も調べる。

田畑の場合は農業委員会の農地の証明書を調べる。

建物

自用家屋や貸家、配偶者居住権の目的となっている建物など。

固定資産評価証明書を調べる。

有価証券

上場株式や非上場株式、公債、社債など。

取引相場が記載された新聞や雑誌などの書類。

事業用財産

機械、自動車、果樹、営業権、商品、原材料など。

それぞれの名称や年式、型番などを調べる。

 相続財産の調査方法

相続財産を調査する方法として代表的なものを挙げていきます。

亡くなった方の自宅を調査する

まずは、亡くなった方の自宅を念入りに調べていきます。現金や車、家財など、目で見てわかる財産もたくさんあり、それらは自宅から多くを発見することができます。預貯金や生命保険、不動産などの重要な財産もありますが、それらに関わる書類もほとんどは亡くなった方の自宅で見つけることができます。

 

調査にあたり、大事な書類等を保管していそうな場所を一つひとつ確実にチェックしていきます。物自体が重要な財産でなくとも、相続財産の手掛かりとなる資料が見つかることもありますので、注意深く捜索しないといけません。

 

特にチェックすべきポイントは、「自宅にある金庫」「机の引き出しの中」「棚」「仏壇」などです。

貸金庫を相続人全員で開ける

重要な書類については、銀行の貸金庫を利用して保管してある可能性があります。そこで自宅から貸金庫契約書などが見つかり、貸金庫の存在が明らかになったときは、“相続人全員”または“相続人全員の同意”を得た上で開けましょう。

 

その同意を得るためにも、亡くなった方の出生から死亡までの一連の戸籍をすべて集めるとともに、相続人の現在戸籍も準備します。さらに、相続人全員の印鑑証明書、貸金庫のキーまたはカードなども準備しておきます。

 

銀行によって求められる書類に違いがあるかもしれませんので、一度問い合わせて確認してみましょう。

通帳や郵便物のチェック

預貯金は、通帳から存在を確認できます。また、通帳の中身を見ることで、過去の引き落とし情報、入金や振り込みなどの情報も確認できます。そこから芋づる式で財産を調査できることもあり、非常に重要な調査対象であるといえます。

 

郵便物についても同様です。金融機関やその他業者との取引があった場合、郵便物が残されていることがあります。相続開始後に郵便物が届くこともありますので、何度かポストは確認するようにしましょう。

法務局で不動産の照会

不動産については、固定資産税納税通知書や権利証、売買契約書などをきっかけに見つけられることがあります。そこで、法務局にて、登記事項の証明書を取得し、不動産の権利関係を調査していきます。

 

特定の市区町村内の不動産に関しては、名寄帳の取得により網羅的に不動産情報をチェックすることもできます。

金融機関各所への連絡

「どの金融機関と取引があったのかわからない」という場合もあるでしょう。そんな場合は、しらみつぶしになりますが金融機関に直接問い合わせてみると良いです。

 

証券保管振替機構に対して開示の請求を行うことで、亡くなった方との取引があった証券会社を調べることもできます。証券会社が分かれば、残高証明書を発行してもらうことで金額も明らかになります。

 

さらに、生命保険協会に対して照会を求めることもできます。

 

また借金に関して、以下に対して信用情報の開示を求めれば、借り入れ情報がチェックできることもあります。

  • 株式会社日本信用情報機構(JICC
  • 株式会社シー・アイ・シー(CIC
  • 全国銀行個人信用情報センター(KSC

 

スマホやパソコンのデータをチェック

ネット証券、ネット銀行に関しては郵便物が届かないことも多く、なかなかその存在を明らかにするのが難しいです。そのため相続財産の調査の一環として、「スマホやパソコンについても調べる」ということを覚えておきましょう。

 

ただし、ログインするためにIDやパスワードを入手しておかないと何もデータが確認できないという可能性もあります。

調査できた財産は財産目録にまとめる

調査を経て、財産を調べることができれば、その内容を一覧でチェックできるように「財産目録」を作成しましょう。

 

その際、できるだけ詳細に記載することが大事です。家屋番号、地番、口座番号など、確実に財産を特定できる情報を書きます。また、評価額の記載も大事です。亡くなった時点における評価額を記載しておけば、遺産分割協議もスムーズに進めやすくなります。

相続財産の調査にかかる費用

自宅の捜索をするのに費用はかかりませんが、金融機関に対して残高証明書の発行請求などを行うには1,000円ほど費用がかかることがあります。具体的な金額は請求先により異なります。取引明細書の発行請求、信用情報の開示請求についても同様です。

 

また、名寄帳の取得には数百円ほどが必要で、調査に関連して取得が必要なこともある戸籍謄本や印鑑証明書の取得に際しても、1通あたり数百円ほどの費用がかかります。

 

なお、相続財産の調査は専門家に依頼することも可能です。ご自身で対応するのが難しい場合でも、財産調査のほか、その他相続手続に関しても司法書士や弁護士なら任せることができます。依頼する範囲にもよりますが、報酬として数万円から30万円ほどかかることがあります。

 

ご自身で対応するより費用の負担は増しますが、調査や相続手続にかかるストレス、手間を減らすことができるでしょう。まずは相談をしてみて、詳しい料金についても聞いてみることをおすすめします。

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  • 経歴

    平成10年  早稲田大学 法学部卒業

    平成12年  司法書士試験合格、三鷹市の司法書士事務所に勤務

    平成14年  司法書士登録

    平成16年  簡裁代理関係業務認定

    平成22年  いつき司法書士事務所開業

事務所概要

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